不動産オーナーが知っておくべき借地借家法とは?重要ポイントはどこ?
はいどうも!!リブスペースのブロガー奥谷です!!
所有する土地にアパートやマンションを建てて行う賃貸経営。
ご自分の資産を有効活用できる方法として、不動産オーナーになって賃貸経営を行うことに興味がある方もいらっしゃるでしょう。
今回は不動産オーナーにご興味がある方向けに、借地借家法や民法改正のポイント、契約更新時の注意点・トラブル事例などをご紹介します。
借地借家法とは不動産オーナーと借主間で結ぶ借家契約のルールを定めた法律
借地借家法(しゃくちしゃっかほう/しゃくちしゃくやほう)とは、土地や建物の賃貸借に関するルールを定めた法律です。
以前は「借地法」「借家法」と別々の法律でしたが、1992年(平成4年)からは一つの法律に統合・施行されています。
借地借家法で定められている主な内容は4つ
借地借家法で定められている土地と建物に関するルールは、主に次の4項目に分けて定められています。
(1)借地権
(2)定期借地権
(3)建物の賃貸借契約
(4)定期借家権
(1)と(2)はどちらも土地に関するルールですが、借地権の存続期間や更新の有無(ある場合は何年借りられるか)、貸主・借主に認められる権利などに違いがあります。
(3)と(4)は建物の賃貸借契約に関するルールで、契約期間の定めの有無や貸主・借主に認められる権利の違いなどが明記されています。
借地借家法と民法の関係性とは
モノの貸し借りは、基本的に民法の「契約自由の原則」が適用されます。
しかし、土地や建物などの不動産は生活を営む基盤である分、貸主と借主の間でトラブルが起きると複雑化しやすいものです。
そこで民法の中でも、借地契約や借家契約に関して適用するための特別なルールを定めて適用することで、貸主・借主双方の立場をより明確に定めて守るために、借地借家法ができました。
いわば借地借家法は民法の特別法で、借家契約の際は借地借家法が優先的に適用されるのです。
借家契約に関する借地借家法のポイント
続いて、借地借家法で定められているルールのうち、借家契約に関するポイントをご紹介します。
(1)借家契約は2種類ある
不動産オーナーが経営するアパートやマンションの一室を、第三者が借りる際に結ぶ契約を借家契約といいますが、これは「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類に分かれます。
そして両者の主な違いは、下記の点を押さえておきましょう。
普通借家契約
①借家契約の期間は1年以上
②当初の契約期間が終了する際、借主が希望すると更新可
③借主が契約更新を希望する場合、貸主(不動産オーナー)は正当な事由がない限り更新拒否できない
④貸主が正当な事由をもって借主に対して契約解除を申し入れる場合は、解除日の6ヶ月前までに伝えなければいけない
定期借家契約
①法律上、借家契約の期限に関する規定なし(不動産オーナーが自由に決められる)
②当初の契約期間が満了すると借家契約は終了する(ただし双方が同意すると再契約が可能)
③契約を結ぶ際は必ず書面にて交わし、契約満了に伴う通知または再契約の締結は、別途書面を用意し説明しなければならない
④貸主は、契約期間満了の旨を期限日の1年前~6ヶ月前までに借主へ通知しなければならない
賃貸経営を行う際はどちらの契約方法がご自分に適しているのか、じっくり考えて決めましょう。
不動産オーナー必見!大家の義務と借地借家法に関する民法改正のポイントとは
借地借家法では、不動産オーナーが賃貸経営を行うにあたり果たすべき大家の義務も定めています。
具体的な大家の義務は、以下の点です。
①使用収益に関する義務
使用収益の義務とは、借主が安全に暮らすために必要なセキュリティ対策や、共用設備を問題なく使用できるようにする義務です。
②修繕義務
修繕義務とは、借主が契約した部屋で問題なく暮らせるように必要な修繕を行う義務です。
たとえば、雨漏り・水漏れ・経年劣化による壁紙の剥がれなど、借主に責任がない不具合は不動産オーナーの負担で修繕を行います。
ただし電球や蛍光灯などの照明器具は、消耗して切れると借主負担で交換するものなので、不動産オーナーの負担はありません。
③費用償還義務
費用償還義務とは、本来不動産オーナーが負担するべき修繕を借主負担で修繕した場合、不動産オーナーは後日かかった費用を借主へ返還(償還)しなければいけない義務です。
④債務履行義務
債務履行義務とは、①②③で述べた項目を果たしたり、瑕疵担保責任を負ったりする義務です。
⑤自力救済禁止義務
自力救済とは、不動産オーナーと借主の間で深刻なトラブルが発生した際、大家である不動産オーナーが借主に対して実力行使をすることを指します。
たとえば借主が家賃を滞納し続けていて、再三の督促や催告にも応じなかった場合、不動産オーナーは賃貸借契約の解除を申し入れることができます。
しかし契約解除後も借主が応じず住み続けていると不法占有となり、不動産オーナーは借主の強制退去、あるいは借主の留守中に鍵交換を行って入室できないようにするなどの実力行使を検討するでしょう。
そのようなトラブルを避けるため、あらかじめ賃貸借契約書に自力救済に関する事項を記載することを考えるかもしれません。
ですが借地借家法では、裁判など正式な手続きを経ていない状態で不動産オーナーが自力救済を実行することを禁止しています。
たとえ賃貸借契約書に自力救済の事項を記載していても、法的には認められません。
どれだけ借主に非があろうとも、法的に正式な手続きを経ず不動産オーナーが自らの資産を守る=自力救済を行うことができない、それが自力救済禁止義務です。
民法改正における賃貸借契約のポイント
2020年4月、これまでの内容を大幅に見直した民法が施行されました。
今回の改正で、賃貸借契約に関する重要点は次の点です。
(1)退去時の原状回復について
これまでの民法では、どこまで借主に原状回復の負担を求めるのか法律では明確に定められておらず、トラブルに発展するケースも少なくありません。
しかし今回の民法改正により、経年劣化が原因の消耗や、借主が落ち度なく使用した結果で生じた損耗(壁紙の日焼けなど)については、借主に原状回復の義務はないと明記されました。
(2)敷金について
敷金も賃貸借契約においてトラブルになりやすい項目の一つです。
今回の改正では、敷金は借主が家賃を滞納した時などに弁済するための費用であること、退去時には原状回復費および借主の債務不履行分の費用を差し引いた金額を返還することが明記されました。
※既に同様のルールで認識している方も多いですが、今までは敷金の目的がはっきり定義づけられていませんでした。
なお不動産オーナーが借主へ敷金を返還することは、権利ではなく義務であることも同様に定められています。
(3)賃貸物件の修繕について
借主が住んでいる期間中、賃貸物件に何らかの不具合が生じた場合、過失があると認められる側が費用を負担して修繕義務を負うことが明記されました。
また改正民法では、一定の条件を満たしている場合は借主が自己判断で修繕を行い、後日かかった費用を大家である不動産オーナーへ請求できる権利も定められています。
この件は、先述の大家の義務で挙げた③費用償還義務に関連します。
(4)賃料減額の義務化について
これまでの民法では、室内設備あるいは建物の一部に故障や破損が生じた場合、借主は不動産オーナーに対して家賃の減額を求める権利があると定められていました。
しかし改正後の民法では、室内設備あるいは建物の一部に故障や破損が生じた場合、借主から請求がなくても不動産オーナーが家賃を減額することを義務付けました。
(5)連帯保証人について
これまで連帯保証人は、借主が債務不履行を起こした際に負う責任の範囲がかなり広く、さらに損害賠償の金額も上限が定められていませんでした。
それが改正後は、連帯保証人が責任を負う範囲と保障額の限度額をあらかじめ定める義務が不動産オーナーに課せられています。
なお限度額は、その上限(極度額)をいくらとするのか具体的な数字を明記していないと、連帯保証人の契約そのものが無効になる点にも注意しましょう。
(6)不動産オーナーの変更について
何らかの理由で賃貸物件の経営権を他の方へ譲渡するオーナーチェンジを行う場合、その際に必要な権利や義務の移転に関するルールも定められました。
なおオーナーチェンジを行う場合、これまでは借主に承諾を得ないといけませんでしたが、民法改正後は不要です。
不動産オーナーが借地借家法関連で知っておくべきこと 契約更新時やその他のトラブル事例とは
最後に、借地借家法関連で実際に発生したトラブル事例をご紹介します。
(1)新築賃貸物件で起きたトラブル
新築賃貸物件に使用されていた建材に含まれている化学物質が原因で、借主が体調不良になり退去せざるをえなくなったケースです。
この時、借主は不動産オーナーに対して損害賠償を求めましたが、裁判ではオーナーの過失が認められず棄却されました。
新築賃貸物件に残る化学物質が原因のトラブルは決して少なくないため、今後アパートやマンションを建築予定の方はご注意ください。
(2)賃貸借契約書の内容と実際が違っていたトラブル
こちらは賃貸借契約書に書かれていた建物の構造と実際の構造が異なっていて、借主が振動や騒音に悩まされたと訴えたケースです。
契約書の内容と実際が違うケースは場合によって重大なトラブルになり、多額の損害賠償を支払わなければいけなくなる可能性もあります。
まとめ
賃貸経営を成功させるには、借地借家法や借家契約・大家の義務・民法改正・実際のトラブル事例など、たくさんのことを知っておかなければなりません。
安定した賃貸経営を行う不動産オーナーになるためにも、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。
弊社はお客様のさまざまなニーズにお応えできるようこれから全力で頑張ってまいります(^○^)
そのためには皆様の信頼や色んな方からのご指導をいただけたらと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
皆様(売主様・買主様・貸主様・借主様)の新しい生活のスタートをリブスペースは全力でサポートさせていただきます。
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1棟マンション管理・アパート管理:月額管理料3%区分所有マンション・一戸建てなどの場合1戸~:月額管理料3000円(ご予算などがある場合はその都度ご相談させていただきます。)
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